1対1スマイルスタディ

支援内容:
売上・販路拡大
業種:
教育,学習支援業
1対1スマイルスタディ
代表者名
後藤 基良
住所
埼玉県春日部市粕壁東1丁目1−7 Mビル
URL
https://smilestudy-kasukabe.com/

借入依存から脱却し持続可能な経営へ  地域密着塾に成長、売上は5年連続最高に

生徒の3割が退塾 資金繰り悪化に直面し相談に駆け込む

平成19年に埼玉県春日部市で開業した完全個別指導塾の1対1スマイルスタディは、平成30年、在籍生徒20名のうち6名が短期間に退会する事態に直面した。他の生徒への悪影響や風評も重なり集客が激減。例年は問い合わせが増える夏期講習の時期でも新規の問い合わせはゼロだった。売上が半減して資金繰りが逼迫し、経営改善が急務の状況であった。

「事業の継続が危ぶまれる状況で、毎日眠れませんでした。とにかく話を聞いてほしいと藁をもすがる思いで相談に行きました」(後藤社長)。

春日部駅徒歩1分の塾外観

授業スペース

数値管理・運営体制・人材育成など課題が山積み

埼玉県よろず支援拠点に相談に訪れた時点で、今後のさらなる売上減少が予想されていた。最大の課題は損益分岐点売上高や必要な生徒数・授業数が把握されず、具体的な売上目標が設定されていなかったこと。経営判断を経験や感覚に頼り、数値を根拠にした戦略の立案ができていなかった。

春日部駅周辺は大手を含む学習塾が乱立し、少子化により生徒獲得競争も激化。年間100万円を投じた新聞折り込みなどの広告も効果は薄く、広告費が利益を圧迫していた。また、口コミが集客の要であるにも関わらず、保護者ニーズの把握や期待されるサービスのブラッシュアップができておらず、新規顧客獲得の機会を逃していた。

さらに「うちの商品は講師なんです」と後藤社長が語るように、大学生アルバイト講師の採用・育成・定着が課題であり、講師像の明確化や運営マニュアルの整備が急務だったが、目先の対応に追われ、手が回っていない状況だった。

相談者の後藤社長

難関大在籍生を中心にした講師陣

商工会議所と連携して多角的に支援
持続的な成長に向けた支援が始まる

相談を受けたコーディネーターは冷静に状況を整理し、商工会議所や専門家と連携して幅広い支援体制を構築した。経営からチラシデザインまでをワンストップで支援し、PDCAを軸にした継続的な面談を仕組み化。毎月の面談を経営会議と位置づけ、後藤社長に「どうしたいのか」を問い続け、率直に話せる環境を整えることで、自ら考え抜き言語化できるよう導いた。

また、商工会議所と足並みをそろえ、補助金申請や看板付け替えといった地域ならではのきめ細やかなフォローも組み合わせ、支援を後押しした。

1対1スマイルスタディの強みやお客様が求めていること、大切にしたい思いなどについて繰り返し話し合いを重ねる中で、後藤社長は「経営に必要な人・もの・金をどのように循環させていくか」という経営者としての視点に気づいていった。そして、経営者としての役割が明確になると、少しずつ行動に移し始めた。

資金繰り改善に向けては、事業計画の策定により損益分岐点を明確にし、目標売上高や必要生徒数を設定。コーディネーターは売上目標や資金繰り表作成を指導し、数字に基づく健全な経営体制づくりを支援するとともに、認知度・集客力向上と広告費削減を目指した。月別売上やコマ稼働率の集計で資金繰りを可視化し、学習塾特有の季節変動を踏まえた広告や経費投入の最適時期を定量・定性両面から整理して数値管理を定着させた。

また、長年据え置いていた授業料の価格改定に向け、保護者への説明方法や値上げ交渉の進め方を助言。優しい性格ゆえに値上げの決断に迷いもあったが、ぶれない軸を大切にしながら仕組みを整えていくことを促した。

広告戦略では広告専門のコーディネーターも加わり、チラシデザインの作成、ホームページのデザイン・SEO改善、Googleビジネスプロフィール活用を支援。補助金を活用したホームページ改修を後押しした。商圏や競合他社を踏まえたキャッチコピーやコンテンツ改善を繰り返し、集客効果を高めていった。

組織面では、属人的だった運営からの脱却を図るため、業務のマニュアル化やシフト管理表導入を提案。また、商品である講師を採用・育成する視点を助言するとともに、講師や保護者へのフォロー体制の整備をサポート、採用基準やマニュアル整備を支援した。また、正社員1名の雇用を後押しし、教室運営の安定化とフランチャイズ展開の基盤づくりを実現した。屋号は「個別指導塾スマイルスタディ」から「1対1スマイルスタディ」へと改め、講師の採用基準も見直した。現在は東大生をはじめ、関西の大学からも応募があり、理系の講師が多いことが大きな特徴となっている。その強みを塾の特色として打ち出し、差別化を図っている。

「コーディネーターさんをはじめ、商工会議所の方など、様々なスキルを持つ方々が関わってくださったのは、本当にありがたかったです。担当コーディネーターさんに話をすると、そこから横に連携して動いてくれるという安心感がありました」と後藤社長は振り返る。

近藤美恵子コーディネーター(左)・髙橋信コーディネーター(右)

支援を受けて作成したチラシ

経営基盤の安定と集客強化で生徒数が3倍に

数値管理や価格改定による収益力の向上、SEOや口コミを活用した集客、人材育成と運営体制の整備を重ねた結果、売上は5年連続で過去最高を更新している。令和6年の売上は令和2年と比べて2倍以上に達し、令和7年は更なる売上拡大を目指す。生徒数は20人弱から70人へと3倍以上に増え、平均単価も倍増した。SEO強化の効果も顕著で、ホームページの検索順位は3位以内に浮上。年間広告費を100万円から15万円へと85%削減しながら、新規入塾者を安定的に確保できるようになった。

運営体制が整い、理念に共感する熱心な講師が集う風土が育っている。友人からの紹介をきっかけに働き始める講師も多く、良い縁でつながる人材が自然と集まる。大学生を中心に、地域の教育学部生や塾の卒業生が多く在籍し、面倒見の良さと熱心さが魅力となっている。学習指導に加え、保護者との面談や授業報告も重視しており、家庭と連携した丁寧な支援を実践。こうした姿勢が保護者の安心につながり、口コミで入塾する生徒も多い。

また、正社員の雇用で運営の大半を任せられるようになり、フランチャイズ展開や新サービス開発に力を注げる環境が整ってきた。今後は、ニーズに合わせた探究学習支援の開発とフランチャイズ展開を柱に、さらなる成長へつなげていく。初のフランチャイズ校となる東京の清瀬校は開校2年で生徒数50名と順調な成長を遂げている。

「相談に駆け込んだ時、コーディネーターさんは親身に話を聞き状況を整理してくれました。答えを示さず考えさせてくれるので、愛のムチという感じで鍛えられ、育ててもらいました。私にとって本当の親のような存在です。なかなか踏み切れなかった価格改定も後押しを受けて実現し、不可能だと思っていた売上目標を達成できたのは、信じ続けてくれたコーディネーターさんのおかげです。経営者は孤独だからこそ、何でも相談できることが大きな支えになっています」と後藤社長は話す。 人とのつながりが築く信頼と安心。進むべき道が明確になった今、スマイルスタディは地域に根ざした塾として、縁を大切にしながら、これからも子どもたちの学びと成長を支えていく。

ホスピタリティ溢れる講師の完全1対1授業

相談者の後藤社長(左)と従業員

PDFをダウンロードしてみる

※メールアドレス不要ですぐにダウンロードしていただけます。

パンフレット

パンフレット

ダウンロード
支援事例

支援事例

ダウンロード

お問い合わせはコチラ

メールアイコン
問合せフォーム
to top