株式会社カクタ(旧:角田商店)

支援内容:
売上・販路拡大
業種:
卸売業,小売業
株式会社カクタ
代表者名
角田 欣哉
住所
埼玉県川口市西川口3丁目33-13
URL
https://kakutashouten.com/

営業・組織・財務を同時改革、
「酒ビジネスのパートナー」へ 粗利161%を実現

コロナ営業制限解除後も、営業の立て直しに大きな不安

昭和37年創業の老舗業務用酒類卸売会社である株式会社カクタ(旧:角田商店)は、埼玉県川口市を拠点とし、約1000軒の飲食店を中心に地域密着型のサポートで信頼を築く。ビール、焼酎、日本酒、ワインなど多彩な酒類を扱い、当日配達や地域に特化した商品提案、季節ごとのキャンペーン、メニュー開発の相談など、きめ細やかなサービスを展開する。

旧社名が残る創業60年の会社

飲食店様にとって利益率の高い商品をご提案

令和4年春、コロナ蔓延に伴う営業制限が解除となり、飲食店に客足が戻り始めたとき、「止まっていた営業をもう一度見直さなければいけない」と角田社長は考えていた。取引先が稼働しても、売上は元の8割程度にとどまる見通しで、先行きへの不安と焦りが募っていた。会社の未来を危惧した角田社長は、川口商工会議所で開かれていた埼玉県よろず支援拠点の相談会に駆け込んだ。

属人化した営業と社内連携の不全、見えない資金繰りが経営課題

当初の相談は営業の立て直しがメインだったが、課題は組織体制や財務管理など経営の根幹にまで広がっていた。営業面では、コロナ禍前は紹介や問合せに頼る「待ちの営業」が中心で、新規開拓の仕組みがなく、営業フローも整備されていなかった。各々が独自のスタイルで行動し、情報は共有されず、貴重な情報が属人化している状況だった。

組織面では家族経営の色が濃く、日常業務におけるコミュニケーション不足から個人プレーが常態化し、社内の連携ができていなかった。角田社長は「営業・仕入・配送の部門が縦割りになっていることにより、どこか一部が強すぎると全体が歪んでしまう」と感じていた。

財務・経営面では、売上や利益の把握はできていたものの、資金の流れや将来の見通しを数値で管理する仕組みがなく、資金繰りの全体像を掴めていなかった。このため、財務の見える化を進め、経営判断の精度を高める必要があった。また、自社の強みが明確になっておらず、他の酒類卸売会社との差別化ができていないという悩みもあった。

ビール・焼酎・ワイン等、こだわり商材が多数

データ営業と組織財務改革で、
酒ビジネスのパートナーへの転換を支援

相談を受け、PR専門家で営業経験豊富なコーディネーターと財務・経営に強いコーディネーターが支援にあたった。巣鴨信用金庫の担当者も同席し金融面からの助言や協力をするなど、課題解決と成長を後押しする多角的な連携支援を行った。

営業では、「待ち」から「攻め」への転換を促し、新規開拓営業のコツやマニュアル作成を指導。大手飲料メーカーのDX化モニター企業に選ばれた強みを活かし、業態別データに基づいた提案型に進化することで新規顧客との会話のきっかけができ、商談に繋がるようになった。また、競合他社が取り扱っていない希少な果実酒を前面に出し、新規開拓の武器として活かすようにした。さらに、訪問先の優先度を見直し、飲食店に来たお客さんの感想をヒアリングしてニーズを把握するなど、マーケティングの視点を持てるようになった。毎日の営業ミーティングでは、情報を共有し、アドバイスし合うことで、次の戦略を考える体制を築いている。「攻めの営業に転換するための大きなヒントをいただきました」と角田社長は振り返る。

組織面では取締役人事を見直し、「売上」と「利益」に責任を分けて役員2名を新任して、攻めと守りのバランスをとる体制を整えた。コーディネーターは、「関係の質」を変えて「結果の質」を変えること、社員のベクトルを揃えることの重要性を繰り返し伝えた。最初は試行錯誤の連続だったが、地道にコミュニケーションを重ね、最近は、ルール=行動の基準、ロール=役割、ツール=武器の3つが揃い、チームで同じ方向を向いていると実感する。また、社名変更を機に企業コンセプトを「酒ビジネスのパートナー」に刷新。「お客様の成功が、自分たちの成功」という意味を込めて、卸売にとどまらないきめ細やかなサービスや付加価値を提供する自社の強みを明確に表した。

財務・経営面では借入・運転資金・在庫を含むキャッシュフローを月単位で可視化し、社長自ら日常的に資金管理を行えるようになった。「資金の流れが見えるようになり、安心感が増えました。来期の見通しも立てられるようになってきました」と角田社長は話す。

談を受ける際、コーディネーターは専門用語を避け、相談者が身近に感じるサッカーに例えるなど、誰もが理解できるアドバイスを心掛けた。「お客様に寄り添った提案ができるようになること」を繰り返し説明。相談後に宿題を出すことで考えるきっかけを提供し、相談者自らが考えて行動に移すように促した。

毎回熱を帯びるコーディネーターとのミーティング

お客様の武器になるアイテムを電話とスマホで迅速配達

2か月で新規16件獲得、粗利161%
営業・組織改革で急成長

営業・組織・財務の三方向から改善を重ねた結果、「毎月1人2件」の新規獲得目標を達成。令和7年6〜7月に16件を獲得し、従来月間4~5件だった獲得数の約3倍をわずか2か月で達成した。攻めの営業への転換により、営業案件の受注化率は50%から80%へ改善し、支援開始前比で売上154%、粗利161%を実現している。

ビール・焼酎・ワイン等、こだわり商材が多数

「コーディネーターは辛口でズバッと喝を入れてくれます。アドバイスの内容は分かりやすく説得力があり、とても信頼しています。『この前も同じ話をしたよね。もし進展がなかったら次の相談は受けないよ』と突き放されることもありましたが、やるべきことを明確にし、背中を押してくれる鬼先生のような存在です。『今までどおりで何とかなるだろう』という甘さを捨てきれないなか、毎回自分で考えるよう言ってもらえたことにより、必死で考えるようになりました。成果が出るまで伴走してくれたことに感謝しています。信頼されるビジネスパートナーであり続けるために、これからも攻めの姿勢で、進んでいかなければならないと思っています」と角田社長。
今後は年間100件規模の新規獲得と受注化率100%を目標に、「地域で信頼される酒屋として、一番に選ばれる存在になる」ことを目指す。

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